社内AIや問い合わせAIを導入しても、古い料金、終了した制度、以前の担当者を答えれば信頼を失います。回答モデルを替えるだけでは、参照している情報の古さは直りません。
必要なのは、ナレッジの原本、AIが参照する版、更新責任者、有効期限、承認履歴を結び付ける運用です。AIが正しそうな文章を作れても、根拠が更新されなければ誤回答は繰り返されます。
この記事では、AIナレッジベースの更新を、情報の分離、期限管理、公開前テスト、失敗回答の反映の順に解説します。株式会社ラクボは、ナレッジ整備から検索、回答、担当者への引き継ぎまでを一つの業務として設計しています。
ナレッジは原本・要約・AI参照用を分けて管理する

契約書、規程、商品仕様、議事録などの原本は変更せず保存します。その上で、人が読む要約とAI検索へ渡す参照用データを別に作り、原本URL、版番号、適用開始日、対象部署を記録します。要約だけを残すと、後から正しさを確認できません。
同じテーマで複数の原本がある場合は優先順位を決めます。最新の正式規程を最優先にし、旧版や会議メモを回答根拠から外します。画像PDFや表も検索できる形へ変換しますが、数値と注記が崩れていないか原本と照合します。
更新責任者と有効期限を情報ごとに決める

ナレッジ全体を一人へ任せず、料金は営業、雇用規程は人事、操作手順は製品担当のように所有者を分けます。変更頻度に応じて確認期限を設定し、期限切れ情報は自動回答に使わず担当者へ戻します。
更新依頼には変更理由、影響範囲、開始日、旧版の扱い、確認者を含めます。担当者が退職しても止まらないよう、個人名だけでなく部署と代行者を登録します。定期更新と緊急変更の経路も分けます。
公開前に差分・権限・回答テストを確認する

更新前後の差分を人が読み、削除された条件や例外を確認します。AI参照用データには閲覧権限を引き継ぎ、全社員向けAIから機密情報が見えないようにします。個人情報や顧客情報は必要最小限にします。
公開前テストでは、正解が分かる質問、紛らわしい質問、答えてはいけない質問、情報がない質問を用意します。回答本文だけでなく参照元、日付、拒否動作、人への引き継ぎを確認し、合格版だけを本番へ反映します。
誤回答と未回答を次の更新候補へ戻す

利用後は、誤回答、根拠なし、古い回答、質問の取り違え、未回答を分類します。会話全文を無条件に学習へ入れず、原因が原本不足か検索設定か指示かを切り分けます。重大な誤りは回答を止め、修正後に再テストします。
月次では期限切れ件数、根拠を示せた割合、人への切り替え、同じ修正の再発を確認します。ナレッジ更新を回答運用へ組み込みたい場合は、ラクボのAI顧問・AI部門代行をご覧ください。現在の資料から優先範囲を決めたい方は、AIナレッジ整備を相談できます。
最初は問い合わせの多い一分野だけを選び、原本十件、代表質問二十件程度で試します。更新通知から本番反映までの時間と、人が修正した箇所を記録すると、次に自動化できる工程が分かります。
運用台帳には、情報名、原本、現在の版、公開範囲、所有者、確認者、最終確認日、次回期限、影響するAI、テスト結果を一行で残します。更新が遅れた場合は、理由と暫定対応も記録します。単にファイルを差し替えるのではなく、古い版が検索対象やキャッシュへ残っていないかを確認し、同じ代表質問でもう一度回答させます。正答した場合も根拠が別文書へ変わっていないか確認します。テスト日時と担当者も証跡へ残し、翌営業日に再確認します。
利用部署からの更新依頼には受付番号を付け、反映予定日と暫定回答を返します。緊急度の高い変更は通常の定期更新を待たず、影響する回答を一時停止します。
